思うことはいつも

生活していて感じたことや触れたもの

2021年6月の記録

2年近く前に生活の記録的なものを毎週更新すると心に決めて、絵にかいたような三日坊主で終わってしまった。月に1回ならなんとか続けられるだろうとたかをくくって再開します。

6月のメインイベントはなんと言っても、「囲碁将棋の『情熱スリーポイント対抗試合』一試合目~エースシューターの襲来~」。恐れ多くも“エースシューター”としてイベントに参加させていただきました。2010年にAGE AGEの配信でかの有名な代表作「隣の女子大生」を見て以来、僕はもうずっと囲碁将棋原理主義者なのである。囲碁将棋がこの世の漫才師で一番偉い。気づいたらそんな人たちと舞台のうえで普通にしゃべっていて、流石に胸がいっぱいになってしまった。イベントはふつおたのコーナーが全員面白くてとんでもなかった。ふつおたは、アルピーANNの家族以来のとんでも長文コーナーだと思う。
どうにも熱が冷めやらず、THE MANZAI2011の囲碁将棋のネタが見たくて300枚近くあるダビングしたDVDの山から見つけて見たりした。今見ても古びることなく超面白い。全やり取りが“囲碁将棋的”としか形容できないようなフレーズや言い回しに満ちていてたまらないのだ。「お前がチャゲといるときは俺がいない」のくだり最高。ネタの種類の豊富さこそが囲碁将棋のすさまじさだと思っていたけど、近年は「どんなネタをやっても自分達のものにしてしまう、独自の文法の揺るがなさこそが囲碁将棋だ!!」と思っている。(ちなみに同じDVDにR-1 2012も入っていてついつい見たら「チュートリアル徳井が優勝だろ!」と9年ぶりに思ってしまった。パンティーのネタ大好き)

POISON GIRL BAND囲碁将棋という東京吉本不世出の漫才コンビ2組による対談動画も胸が熱くなる。ポイズンのドカベン、本当に大好きなのでどうにかしてまた見れないものか。


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クイックジャパン爆笑問題特集は本当によかった。このタイミングで爆笑問題を特集するのも、「偉大なる未熟者」というキャッチも素晴らしい。爆チュー問題がコントの原体験で、小学生の頃はバク天、深夜番組を覚えた頃に検索ちゃんで、その後は爆笑問題カーボーイ爆笑問題の番組とともに成長してきた1990年代中盤生まれが自分以外にもたくさんいるはず。ウーチャカのソロインタビューは新しい情報がびっくりするくらい何もなくてそれもまたよかった。
「はなつまみ」の志らくゲスト回は上半期のバラエティイチの面白さ。攻めも受けも一流の、これぞ話芸エンタテインメントだ。最後のエンタメ論からイタコ芸につながるところしびれてしまう。
座王でのトレンディエンジェルたかしの「ワンワンニャンニャン」、マヂカルクリエイターズ最終回、テレビ千鳥のバイキングも最高だった。


「大豆田とわ子と三人の元夫」「コントがはじまる」「今ここにある危機とぼくの好感度について」と3つのドラマが終わってしまった。何かを習慣付けることが絶望的に苦手なのでワンクールに3本見るなんて土台無理な話だと思っていたのだけど、「欲求のはずが義務に変わり」状態に陥りそうになりながらも何とか最後まで完走できた。「大豆田とわ子と三人の元夫」は、始まる前に「それでも、生きてゆく」「最高の離婚」を見返していたせいもあってか、“話の軸のなさ”のようなものに戸惑っていのだけれど、慎森の「君は働いて恋をする人なんだから。働く君と恋をする君は別の人じゃない」というセリフですべての靄が晴れた気がした。恋も仕事も友人の死も、すべての過去と現在を平等に描いた作品だった。

GARNET CROWストリーミング配信解禁の報がうれしい。物心ついて初めて好きになったバンドなので、(ストリーミングサイトで見る後期のアー写やジャケ写にウっとなりながらも)インディーズ盤とメジャー1stは無条件で大好きだ。特に「A crown」の歌詞の筆致がとても好きで、おそらく影響を受けてないと思いながらも、この曲以外にもAzuki七の歌詞には小沢健二の匂いを感じずにいられない。
BoyishのEPが大好きで、何度も聴いては現実とベッドルームのその先で揺れている。HANDOSMEBOY TECHNIQUEとオリヴィア・ロドリゴのアルバムもすごくいい。
なつやすみバンドのニューアルバム発売は、もうとにかくうれしい。ずっと音源も出していないしライブもしていないしで寂しく思っていたところに、某イベントで見たら「全部忘れるなよって」の力強いユニゾンで泣きそうになってしまった。しかも新譜は「TNB!」から「サマーゾンビ―」の頃のようなアルバムだなんて、「うれしすぎて2回も抱きしめちゃうんだよ」という感じだ。


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6月は何故か東海林さだおの食べ物エッセイをやたら読んでいた。食べ物のことしか書いていないのに猛烈に面白い。福神漬けのなた豆(ひょうたんみたいなアレ)をいじくり倒している章があって、水ダウの20年先を行っていた。
夏が来たらまたドラマ「すいか」を観ないといけないので、それにそなえて木皿泉の「二度寝で番茶」を読んだ。あんなにやさしく、さりげない手つきで呪いのようなものをほどいていく物語を書く2人の人間性は、その実とてもパンクでハードコア。特に血縁の絶対性に対してハッキリNOを示す姿勢が印象的で、木皿泉田島列島は深いところで共鳴しているのだなと思った。
西東三鬼の「神戸・続神戸」。戦時中の神戸に息づいていた営みの、リアルとフィクショナルを行ったり来たりする描写が鮮やかだ。
遅ればせながら読んだ増村十七「バクちゃん」は、寓話が存在する意義そのもののような作品だった。

 
アニメ「オッドタクシー」は夢中になって一気に見てしまった(この先ネタバレあり)。それはもうべらぼうに面白かったのだけど、「なんで小戸川視点のシーン以外も動物になってんねん」というツッコミをどうしても押さえられない。いわゆる信頼できない語り手とはまったくもって違うので。
台湾熱が高まっているのでチェン・​ユーシュン「1秒先の彼女」を観た。ところどころ演出がしんどいのだけど、構成や物語の運び方の大胆さは嫌いじゃなかった。「アメリカン・ユートピア」のすごさは言葉がいらない。なんでみんなおとなしく座って見てられるのか不思議で仕方なかった。
そしてそれらすべてをぶっ飛ばす「映画大好きポンポさん」。もう今年見た映像作品でぶっちぎりNo.1だ。(以下、某所に書いた軽レビュー)

作中見る / 見られるという動作が山ほど出てくるこの映画。とりわけ印象的なのはジーンがナタリーをバスから見た時の、大袈裟なまでに演出された場面だろう。しかし彼は、一度ナタリーと工事現場で遭遇していることを忘れている。そう、僕らはいくつもの出来事や記憶を切り捨て、忘れながら生きているのだ。まるで映画監督が不要な場面を編集でカットするかのように。
しかしジーンは、まるで自分が見た全てを忘れまいとあらがうかのように、ひたすらにノートをとり続ける。雨に濡れて一度失ったノートの中身を再現してまで。そして、そんな切り捨てられ忘れられた記憶や出来事を一瞬照らすのが映画であり、アリアであり、つまりは表現だ。それらをアニメーション映画ならではの快楽の中で見せてしまうことの素晴らしさ。
編集作業をアクション映画さながらの迫力で見せてしまうクライマックスも、「上映時間が90分なところですかね」でフィクションと現実をないまぜにしてしまうラストも、痺れるくらい最高。


6月もっとも好きなあるあるは「ちまきを縛ってるヒモ、結んだまま外す」でした。